栄高産業社内リレーブログ

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2010年11月29日

元気の源

 ふと、息子のことを考える。
高校から親元を離れ割と厳しい寮生活をして、福岡に移り住んでの一人暮らし。
仕事を変えようと相談はあったものの、自分の考えで行動し、自分で見聞きして新しい職場で面接を受け、面接担当官も初めてという『即決採用』で、新しい仕事について走り回っている。
うーん…。自分があの歳の頃、それだけのことができたか?その勇気があったか?
『馬鹿息子』と、常々お世話になっているコンサルの先生が敬愛をこめて話されるのと同様に、どこか息子にリスペクトしている自分が悔しい気分になります。
月曜日担当の工藤です。

先日、宮崎県内から30人程あつまる会合に出席しました。
その多くは、あの『口蹄疫』のもっとも被害の多かった地区からの参加でした。
「どうでしたか?あの頃…」

気の利いた話し方もできず、ストレートに聞いてみる。
病院に行っても、他の患者さんから面と向かって「来るな!」と言われた。
普通に買い物にも行けず、真夜中に24時間営業のコンビニにて、大量の缶詰などの保存食をこっそり買い込む。
犯罪者のような生活で、感染におびえそれでもいつまで続くかわからない消毒作業をただただ繰り返す。
そして、ついに殺処分。

復興に向けてという雰囲気になりつつありますが、わずかに支給された補助金も、それまでの飼料代等でほぼ全額が引き落とされる。

「自殺させるつもりか!」
と、怒鳴り込んだ話。

多く寄せられていると聞いている『義援金』も、(末端の農家へはどうなっているの?)という状態らしく、それでも一般の人からは『義援金のおかげで、もう畜産をしなくても生活できるんでしょ?』などといわれ、憤る。

報道で聞いてはいたものの、本人からの言葉からはそれとは違ったなにかが伝わってきます。

「どのくらいの人が畜産業をやめるでしょうか?」
今思うとなんと失礼な質問をしたのかと悔やみますが、それに対して、

「ほとんどやめる人はいないよ」
「それより、牛を運ぶトラックを大型に買い換えたんだ」とか
「素牛がいるから、北海道に飛んで、がっぱり買い込んできたよ」

牛舎が一度は空になり、大打撃を被った人たちが、熱く今後を語り合う。
夜遅くまで、畜産談義に花が咲き午前様で帰りました。
その多くの人たちは、私より何歳も年上ばかりですが、そのバイタリティは感心させられます。

息子ほど年齢が若かろうが、歳を取っていようがそんなことは『できない理由』にはなんにも関係ないこと。
改めて思い知らされ、元気の源をいろんな所から頂きました。

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